日本触媒工業(今の日本触媒)の創業者である八谷泰造氏の話。1986年にサンケイ出版から初版。もう31年前に出版されたものだが、今でも生き生きとした話として感動を受ける。八谷泰造氏は1906年広島県出身で大阪大学を卒業。1970年没。64歳。
昔はこのようなタイプの経営者がたくさんいたような気がする。本田宗一郎、井深大なども同じタイプであったろう。頑固で自己主張が強く、筋は曲げない。一方で人情にあつくて、人を強烈に引き付ける。家庭ではワンマンで亭主関白、頑固おやじ。仕事一筋で酒が強く、趣味は麻雀、ゴルフか。
八谷泰造氏は技術者として一流で、進取の気性を強く持った方であった。自社技術にこだわり、仕事には一切妥協はしない。一方で絵画や執筆にも造詣が深く、一流の方であったようだ。
どうも、最近の経営者を見るとこのようなタイプは少なくなった。サラリーマンから昇進した経営者が多くなったせいであろうか。決算をごまかしたり、間違った意思決定を他人のせいにしたりと、おかしな経営者も多い。(平成29年2月24日)